前回紹介しましたシーモア先生の本です。
導入期の生徒さんに向けた新しい切り口の本です。
特徴的なのは、ppからffまで様々な大きさの音を出すのに、まずは指を使わないというところでしょうか。
では一体何を指に見立てるのかと言うと、何と消しゴム付きの鉛筆です。
その鉛筆の消しゴム部分を鍵盤に当てるようにして、音を出します。
確かに導入期のフニャフニャな子供の指先を使って音を出すより、よほど安定感がありますよね。
また何より面白いと思ったのは、アフタータッチを感じ取らせる事によって、ppの出し方を伝えるというところ。
アフタータッチとは、ピアノの鍵盤を音を出さないようにソ〜ッと下げていった時感じる引っかかりのある場所の事です。
そう言えば、映画の中でも公開レッスンで、シーモア先生がその事について言及している場面がありました。
これは、なかなか画期的!とワクワクして、早速購入。
消しゴム付き鉛筆たち。
シルバー君、という名前にしようかな〜なんて考えていました。
けれど、これには残念なオチがあります。
このアフタータッチ、グランドピアノでしか感じ取れないものらしいのです。
確かにアップライトでは、ゼロではないのですが、引っかかりを感じるまではいきません。
もちろん電子ピアノにあるはずもなく・・・
グランドピアノ・・・持っているお宅がない訳ではないけれど、やはり初歩の子供にとって実用的ではないかも、と導入を断念しました。
お家で反復練習できないのは問題ですものね。
大きな子供たちには、伝えるだけは伝えています。
とは言え、それ以外にも参考になる事柄の多い本ですので、お薦めです。