今日は、グランドピアノのオーバーホール初日でした。
私が学生の頃から一緒に歩んできたピアノです。
鍵盤によっては、打鍵の時カタカタ音がするものも出てきていました。
ここ数年ガタがきているのを騙し騙し使ってきましたが、そろそろそれも限界となり決断しました。
とは言えオーバーホールと言っても今回はその半分。
鍵盤周りとペダル周りのフェルト交換、そしてハンマーを取り換えます。
調律師のKさんにお願いしました。
まずは、鍵盤を取り出します。
さらにハンマーを奥に追いやると、こんな感じ。
今回取り換えるのは、鍵盤を支える3点のフェルト。
手前の緑と中間の赤、そして奥に見える緑のフェルトです。
新旧比べてみました。
分かりづらいかもしれませんが、古い方は薄く硬くなっています。
これは取り外した鍵盤。
小さな穴が空いているのが見えますか?
この中にもフェルト(ブッシングクロスと言うそうです)が付いているのですが、磨耗して薄っすらとしか見えません。
これも貼り替えます。
鍵盤がどんどん取り払われて、こんな状態に。
これは、鍵盤が上がった時ハンマーを受けるキャプスタンボタンブッシングというもの。
この後作業は、ペダルの取り外しに突入しましたが、何故かこの辺りから極度の睡魔に襲われた私。
仮眠する為退席したので、写真を撮れず仕舞いでした。
その後Kさんは、取り外した鍵盤やらペダルやらを抱えて帰られました。(ご自宅で作業をするため)
今回この一連の作業を見ていて気づいた事は、一見すると大きな図体をしたピアノですが、実は思いがけないくらい小さな部品の数々によって支えられている物なのだ、という事でした。
それだけに、ちょっとした調整の違いによって音色が変わってしまう繊細なものなのでしょう。
イタリアのクリストフォリによってバッハの時代に誕生したピアノ。
その後、改良に改良を重ねて現在の姿となりました。
その中には、より良い響き、より大きなダイナミックを追い求める人々の創意工夫が詰め込まれている事を改めて感じました。
一応横からも撮ってみました。
次は明後日です。