前回の記事に引用させて頂いた山岸麗子著「あたまで弾くピアノ」には、コンクールに臨む生徒さんについても書かれています。
結果を追い求める余り、テクニックのための練習に多くの時間を割くこと。
しかも心不在の反復練習をする事は、間違った頭の使い方をする元凶となり得ると警鐘を鳴らしています。
そうは言っても、実際問題テクニックの練習はそれなりに必要です。
それにピアニストのランランは、4歳の頃1日8時間も練習していたと言いますし・・・(最早必要悪?)
とは言え、それでも彼が間違った頭の使い方をすることなくピアニストとして大成できたのは、その4歳の時聴いたホロヴィッツの弾くトロイメライの演奏に、心を動かされるだけの感受性を持っていたから。
そして、その演奏に出会える環境にあったからだと思います。
私の教室でも、次に弾きたい曲、又はいつか弾いてみたい曲のリクエストをしてくる生徒さんは、ご自宅でCDをよく聴かせてもらっている(若しくは自然に流れている?)ご家庭のお子さんです。
環境は与えてあげられるものです。
どうぞ弾かせるばかりでなく、聴かせることにも時間を使ってあげて下さいね。
例えその時お子さんが興味を示さなくても心折れることなく、音楽のある環境を与え続けて頂きたいと思います。(出来れば上質の)
ランランが感銘を受けた演奏の入ったホロヴィッツのDVDです。
私も、時々大きな生徒さんにトロイメライのところだけ観せています。
心に染み入る名演です。