使い方によっては毒にも薬にもなる、それがペダル。
「ペダルは耳で踏む」というように、欲しい音色や表現を実現するために自らの音を頼りに無意識に深さを変え、タイミングを変えて踏み変えられるようにならなければいけないものです。
響きを変える、音を繋ぐ、用途によって踏み方も様々。
ピアニストの足元を見ていると、楽譜に書き表すのは不可能と思える程デリケートにペダルを踏み変えていることが分かります。
そんなペダルですが、お子さんが小さい場合、補助ペダルを使うことを余儀なくされます。
昔は足台にペダルが付いた補助ペダルしかありませんでしたが、このペダルは重くて余り実用的とは言えませんでした。
それで普及し始めたのがアシストペダルです。
ベースペダルにアタッチメントを取り付けて使います。
取り付けの穴を変える事によって、お子さんの成長に合わせて高さを変える事ができます。
昔の補助ペダルと比べると、随分踏み込みが軽くなりました。
私も長年これを使っていましたし、お手頃価格なので、最近ではペダルを習いたての生徒さんに購入して頂くこともあります。
ただ気になる事もあります。
このペダル、支柱となる部分が細いため、踏み込んだ時の感じが不安定なのです。
低学年の生徒さんが単純に踏む程度なら対応できるのですが、小柄な生徒さんですと小学校の高学年になってもアシストペダルを使う場合があり、そうなるとこれでは本格的なペダルに対し心許ないように感じていました。
そこで購入してみました。
フィットペダルです。
ベースペダルにアタッチメントを取り付けて使うところはアシストペダルと同じですが、アタッチメント自体の高さを変える事が出来ないため、成長に合わせて買い替えが必要になります。
その分アタッチメントが前後で支えられているので安定感が違います。
高さは10センチ、7センチ、4センチの3種類。
一般のご家庭ならベースペダル1台あれば、後はアタッチメントをその都度購入する、ということで賄えると思います。(アタッチメントはそれ程高額ではありません)
演奏を輝かせることも台無しにする事もできるペダル。
小さなお子さんが、姿勢を崩す事なく万全の状態で練習できるよう願っています。