一年に2度来る選曲の時期。
一つは、夏の発表会のための春の選曲。
もう一つは、新年会のための秋の選曲。
どちらもこれ以上ないくらい頭を悩ませます。
特に発表会の選曲は、ソロばかりでなく連弾もあるので、その労力は2倍となります。
中でも連弾には、毎年何がしかテーマを決めています。
そして、このテーマを決めるまでが一苦労なんです。
大概は、生徒の誰かが「今度これ弾きたいんだけど。」とヒントを運んできてくれるのですが、それがない時は延々唸り続けることになります。
今年は、少し前に「バッハのバディネリを弾きたい。」というリクエストを頂けたので、それをヒントにテーマを決めることが出来ました。
と言っても、今はまだソロの選曲に取り掛かったばかり。
ソロは、出来るだけ企画(テーマ)を立てず選曲するのが私のポリシーです。
なぜなら企画に当てはめて選曲しようとすると、曲の難易度が生徒さんの実力と見合わない、などといったケースが出てきてしまうからです。
私が生徒の立場であっても、出来るだけ自分の身の丈に合った無理のない選曲を希望すると思うので、毎年そこだけは気をつけています。
又選曲をしていると、たまに楽譜を見た途端、生徒さんの顔が思い浮かぶことがあります。
この場合の選曲は、どんぴしゃり、その生徒さんにハマります。
不思議なんですけどね。
などと言いつつ、(長く持つ曲だから少し頑張らせたい)と思うピアノの先生ならではの断ち難い欲から、つい背伸びをした選曲をしてしまうのでした。
そう言えば、時々生徒さんに発表曲をお渡しした途端、「えっ・・・」と親子共々言葉を詰まらせ固まってしまわれることがあります。
初めて見る楽譜、初めて聴く楽曲、きっと高いハードルに思えるのですね。
それでもレンガを積み重ねるように、フレーズ1つ1つに時間をかけ丁寧にさらい、それらを確実に習得していくことで、自ずと作品という建物は立ち上がるはずです。
ですので、難しいと思える曲にも、怯まず勇気を持って挑戦して欲しいと思っています。
とは言え、そのさじ加減が難しいのですけれどね。
などと想いを巡らせながら、只今膨大な楽譜を目の前に呆然としている私でした。(ブログなんぞ書かずに選曲しなさい、という声が聞こえてきそう)