先日、コンクール&発表会に向けて分解楽譜を作る記事を書きました。
ではなぜ楽譜を分解するのかと言いますと・・・
一つには、譜読みを容易にするという理由があります。
幼い子供にとって、大量に並ぶ音符の羅列は一種の恐怖です。
よほど譜読みが得意なお子さんということでもなければ、いきなり出来上がった楽譜を見せられても戦意喪失するばかりだと思います。
それを小さな動機またはフレーズごと(さらにはもっと細かく)に分けて見せることで、子供に“頑張れば攻略できるかもしれない”という希望を持たせます。
又動機やフレーズを知ることで、曲の仕組みが理解しやすくなるというのも理由の一つです。
さらに分解楽譜最大の利点は、「一つ一つの音をどのように鳴らすのか」ということに意識を集中できるところにあります。
ピアノ弾きの習性でしょうか、ピアノを弾く人には「そこに山があるから登る」と同じく、「そこに楽譜があるから弾く」といったところがありますよね。(そこにピアノがあるからじゃないの?と突っ込まれそうですが)
部分練習が必要だと分かっていても、そこに楽譜がある限り、初めから終わりまで通して弾きたい衝動には、そうそう勝てるものではありません。
とくに小さなお子さんの場合、自ら立ち止まって一音一音音作りをしていくことは、かなり難しい作業なのではないかと思います。
そこで分解楽譜です。✂︎ ✂︎ ✂︎
見えるものがわずかな音(数個のメロディー音や、たった一音のみ)の楽譜だったとしたら、考えることは「その音をどうするか」しかありませんよね。
たった一拍分の音ならば、両手のバランスにこだわることも難しくなくなるはずです。
と、このように分解楽譜には様々な利点があるのでやめられません。
手間はかかりますけどね。
それでも、後に分解していない楽譜をいきなり見せられた子供たちが、ひるむことなく挑戦できるだけの読譜力、そして自ら出す音を聴き、音を選別する力を身につけてもらえるなら本望!と思って、今日もチョキチョキ地道な作業に勤しむ私なのです。