白くて綺麗な手・・・
なんですけど、こう見えてこの方案外力持ちなんです。
ピアノの大屋根を軽々と上げ下げすることのできるこの方は、私のお弟子さんであり、又ピアノの調律師さんでもあるKさんです。
そんなピアノという楽器のエキスパートであるKさんに、実は知っているようで知らないピアノにまつわるあれこれを時々教えて頂いています。
例えば、前にも書いたアフタータッチの事、エアコンが及ぼすピアノへの影響だったり、塗料が禿げ始めたピアノの修繕の仕方、等。
Kさんから頂いたプチ情報によって、私は大いに助けられてきました。
そんなKさんとピアノとの関係は、幼少期に始まります。
訳あって何人かの先生を渡り歩いたKさん、子供の頃は御多分に洩れず余り練習を好きになれなかったそうで、不完全燃焼のままいつしかピアノを辞めてしまったのだそうです。
その後大人になったKさんは、お父様と同じ調律師の道へ。
そしてある時、不完全燃焼だったピアノへのリベンジを果たそうと、一念発起してこの教室の門を叩いたのです。
そこから今年で8回目のモンクールを迎えるKさん。
忙しい仕事の合間を縫って、ご自宅やご実家、そして作業場である倉庫の中でも練習を重ねていらっしゃいます。
その甲斐あってか本番の演奏で毎回見せて下さる抜群の安定感!
曲の隅々にまで心を配った堅実な演奏からは、Kさんの誠実な人柄が滲み出ています。
又その誠実さは、Kさんが多くの人から慕われ頼りにされる源となっているようにも感じます。(かく言う私も頼りにしている一人です)
高校生の頃吹奏楽部だったKさん、調律師という仕事のみならず、熱心にピアノを勉強されている甥っ子くんとの関係や、この教室で得た同世代のピアノ仲間等、音楽を介したネットワークは年ごとに深まりを見せているようです。
Kさん、どうぞこれからも仕事と演奏の両立頑張って下さいね!